自治体学校に参加して・・・八尾 春雄(広陵町議会議員)

投稿者: | 2022年8月14日

23日は午前6時に家を出発して松本市へ向かい、帰宅は24日22時でしたが、内8時間は電車での移動でしたので、そんなにきつくはありませんでした。自治体学校参加の意義は➀研修(今回は民営化問題)②交流(特に旧交をあたためる場合が多い)③資料や参考書籍の買い出し の3本でしょうか。9月議会にどのように対応するのかもあわせて考えることができて有意義でした。
  

記念講演「参院選の結果とこれからの課題」

 125議席中63議席を自民党が占めたが、小選挙区制の歪み(得票と議席が比例しない)と野党統一の停滞の結果がこのように反映している。憲法改定に必要な3分の2の議席を自民公明で衆議院と合わせ確保したことになるが、直ちに憲法改定がテーマになるわけではない。選挙終了後に直ちに取り組むべき課題では、世論調査では憲法改定は5位以下となっている。国民の意見は、物価の高騰対策、ウクライナの戦闘停止、医療介護制度の改善、学校教育制度の改善など、むしろ地に足つけた健全さがみられており、それぞれの政治勢力もこうした結果を踏まえた政策提起が必要になっているとのことでした。

 その後、自民党幹部から「もし野党統一がうまく行っていたら、自民党は10議席を失っていただろう」とのコメントが発表されている。立憲民主党が野党第一党であることを自ら自覚し、連合吉野会長の統一壊しの行動などをはねかえす力が必要であろう。また日本共産党は6議席から4議席に後退したが、毎日のようにウクライナの戦争が報じられ、憲法9条を活かした平和外交を求める立ち位置は理解してもらえても、現実の戦争を止められないことが大きく影響していることを選挙運動の中でも感じている。我が国の世論形成が、政権にすりよるマスコミの動向で、まともな前進をみていないことも大きな影響としてあると思います。

記念講演②「大規模災害に備える自治体の課題」

 自助と互助が強調され、肝心の公助が後景に追いやられる傾向がある。しかし公助には極めて重い責任があるし、定性的予測を確実に行って、基本的責任が公助にあり「想定外」とのコメントを許さないようにしてほしい。各自治体では独創的な方針提起がほとんどなく、書面上の計画・対策が多いように感じている。実際に行動できて役に立てられるかどうか吟味してほしいとのことでした。

 しかし、報告の中で各自治体が取り組んでいることはどこでも同じ内容のものであると半ば切り捨てていたが、私は必ずしもその様には感じていない。広陵町の条件に当てはまる方針を、地元自主防災会のメンバーとともに立案し実践にいかしたいと考えています。

 リレートーク:名古屋市の保健師活動

 保健所が廃止合同して、これまでの実践的な公衆衛生機関から、お役所的な管理指導機関に変化しているが、名古屋市の保健所で働くメンバーの中では、より住民に近く、より実践的な保健所を各地にたくさん設置しなければ、今回のようなコロナの対策は不可能であるとの結論に至っていました。
 これは聞きしに勝る報告であり、辛かった。もっと住民に寄り添い、健康で文化的な最低限度の生活が実際に保障されなければならないと痛感しました。

 リレートーク:吹田市市民課業務委託契約を撤回

 住民の個人情報を一元的に管理する住民課業務を、民間会社に委託しようとする市長&業界に対して、この民間委託がいかにでたらめなものであるのかを、住民参加で労働組合が役割を果たした素晴らしい経験を聞いて大きな感動を得ました。市長が選挙中の公約をああも簡単にひっくり返すという所に真実味があり、また危険なことだと感じました。

「自治体民営化のゆくえ」:尾林芳匡弁護士

 公務労働が住民の生活と福祉の向上に貢献することを目的にするのと比較して、民間委託や指定管理者制度には公務にはない「利益の確保」という全く別の目的があることを喝破して、およそ公務労働が住民の利益に資するのは当然であると断じておられる。まことにその通りであろうと確信を持った。

 プールの事故で、監視員が必要な数が確保されないだけでなく、委託のそのまた再委託というので高校生が慣れない監視員になった時に発生した事故では、直前に吸い込み口に引っ張られないように鉄格子状の枠が設置されていたのに、これが壊れて届出があったにもかかわらず、経験のない高校生の監視員では重大事態と気が付くことがなく見過ごしていたことが後から明らかにされたという。
「民間の活力を導入して」などと広陵町議会でもよく聞く議論ではあるが、根本から学習出来たので、9月議会の令和3年度決算審査では大いに議論に参加していきたいと新たな決意をしています。

 久々のリアル研修でありよく学べたと思います。また旧知の議員や地方公務員などとも再会できたのもよかった。新型コロナの第7波が急激に勢いを増してきた時期に重なったが、十分に警戒して問題なく終えることができたのがよかったと感じています。
                                 以上

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