坂本 博道(河合町会議員)
自治体学校に現地参加しました。初日全体会の田中熙巳(日本原水爆被害者団体協議会代表委員)さんの記念講演と2日目分科会について報告します。
田中熙巳さんの記念講演「被爆80年、核兵器のない世界の実現めざして」では
田中さんが長崎で被爆したのは13歳、旧制中学1年生の時。授業もなく、野外作業の毎日の中で8月9日を迎えた。8月6日に広島に原爆が投下されたことはほとんど情報がなかった。爆心地からは3km余りのところだったが、真っ白い光と爆風が通り過ぎた時気絶した。市内に住んでいた叔母家族が死亡。いのちと暮らしを全て奪った原爆、被爆者の状況などが語られた。
そして、被団協結成以来の活動が語られた。2017年にICANがノーベル平和賞を受賞した時、なぜ被団協の名前が出てこないのかと考えた。平和賞を決めるノルウェーもNATOの一員で、アメリカの核に守られており、原爆を落としたアメリカへ配慮があるのではと思い、被団協の受賞はないかなと思っていた。

それだけに、昨年のノーベル賞発表の時も受賞は予想していなかった。受賞の理由に「核タブー」(核兵器を使ってはいけないという道徳的な規範)をつくってきた被団協の証言活動が挙げられた。まさに、今、核兵器使用の危機でもある。一方で核兵器禁止条約が世界に広がっている。唯一の戦争被爆国の日本の立場が問われている。原爆で亡くなった死者に、日本政府は何も償っていない。
田中さんは、著書の中で「自治体は直接的に住民の安全保障をする組織。国の安全とは住民の安全のこと、国に従属するのではなく、平和のあり方を自治体で築いてほしい」と訴えられているのが印象に残りました。
2日目は、分科会5「少子化対策を地域から考える」に参加しました。助言者は、中山徹(奈良女子大学名誉教授)です。
1 少子化の状況
出生数の低下の原因は、合計特殊出生率の低迷と30代女性の減少。今後も人口減少は続く、 少子化対策は根源的な要求実現対策
2 政府に求められる少子化対策
雇用の安定と賃金の引き上げ 女性の就労と育児の両立
子育て、教育費用の個人負担軽減 東京一局集中政策の是正
異次元の少子化対策は成功するのか 子育て政策の財源
3 自治体に求められる少子化対策
①経済的支援〜自治体に求められる視点
高校授業料の無償化 自治体独自の奨学金制度
給食費の無償化 小中学生に対する就学援助費
高校生に対する通学費助成制度 子ども医療費助成制度
保育料軽減措置 不妊治療に対する支援
出産費用に対する支援 子育てに関わる継続的な経済支援
②基準の改善
保育士の配置基準の改善 保育士の処遇改善
少人数学級の導入

③地域における子育て環境の整備
若者、子育て世帯向き住宅の確保 日常生活圏域の整備
子育て施設、サービスの連携 コミュニテイ組織との連携
④地域経済政策の展開
雇用のマッチング 就労環境の改善
地域の就労環境整備 地域経済の活性化と市町村の役割
⑤総合的な子育て支援政策の策定
*市民参加の政策立案
国レベルの課題が大元であるが、地域レベルで可能な施策を住民参加で、よく考え具体化することが重要と感じました。
中山先生の講演後、「世田谷区を子どもの権利が保障されるまち・文化に」「大山崎町 住民参加で創る「自然豊かな子育ての町」「滑川町における給食費無償化の経過と成果」の報告がありました。