学校統廃合と小中一貫教育を考える第15回全国交流集会in大阪

投稿者: | 2026年3月24日

3月8日、大阪大学吹田キャンパスで標記全国交流集会が行われ、3名の奈良研会員が現地参加しました。教員の多忙化と学校統廃合はいかに教育政策が貧困かを物語っている。教育を豊かにするよう、全国の実践を交流しようと実行委員長があいさつされました。

「学校統廃合と小中一貫教育をめぐる全国の情勢」

山本 由美 さん(和光大学名誉教授、東京自治研理事長)が基調報告されました。

2000年台から廃校数が高止まり 年間約450校が廃校 
高校統廃合 製造業からサービス業への産業構造の転換により高校のスクラップ&ビルド 
高校授業料無償化で公立高校の切り崩しも?  
義務教育学校の創設  2024年全国で238校  
長寿命化、公共施設等総合管理計画、立地適正化計画の活用   
科学的根拠が全くない「標準規模(12~18学級)」が新自由主義的教育改革で復活、「適正規模」へ   
学校個別施設計画の推進をと、小中一貫、複合化、教員配置、教育DXの連携 早くかかればコスト削減と経済効率性を隠そうともしなくなった   
複合施設化・共用化の教育学的効果・デメリットは検証されていない 
学校3部制(学校教育の場、放課後の場、多様な活動の場)、PFIなど懸念拡大 

学校規模の適正化の検討は、あくまでも児童生徒の教育条件の改善の観点を中心に据え、学校教育の目的や目標をより良く実現するために行うべきもの。学校には一定の規模が必要な一方で、統廃合の結果、極端に長距離の通学が求められることなども問題。また、学校は地域のコミュニティの核として、防災・保育・地域の交流の場等の機能を併せ持つ。地域の事情により、学校統廃合が困難な場合や小規模校として存続させることが必要な場合もある。

小中一貫、全国で拡大する「学園構想」 一方で、つくば市は「義務教育学校」をやめた   
対抗軸は、保護者が運動の主体となる、地域、教職員との共同。子どもの声   市民・保護者が「地域の学校を守る会」を立ち上げ、学習会、大規模署名活動、公開質問と SNSでの公開   
生駒市、香芝市の事例、奈良市、四万十市の子どもによる請願    
シカゴ市の学校統廃合闘争 教員住民等の連携、代表を市長に、教育行政を変えて統廃合一時凍結へ

「大阪維新政治から見た学校統廃合・地域」

中山 徹 さん(奈良女子大学名誉教授、全国研理事長)が講演されました。

維新政治の特徴

①新自由主義的な政策 減税と規制緩和による経済成長、終身雇用からジョブ型雇用へ、官から民へ(地下鉄、バス、保育所の民営化、指定管理)、教育バウチャー、ナショナルミニマム否定、道州制 
②戦争できる国づくり 憲法9条改定、緊急事態条項導入
③強権政治と分断 職員、教職員を締め付け、高齢者、外国人、生活保護・・既得権者と闘う

維新政治がもたらしたもの

 ①低迷する大阪経済 ②公立高校の統廃合 ③地域間格差の拡大 中心部・臨海部への投資の集中、トリクルダウンは起きない

維新が描く今後の展開

 ①大阪都構想と副首都構想 ②地域間格差の拡大に対して、府東部、南部で市町村合併をすすめる。

 貧困の連鎖を断ち切るのは学校教育しかないのに、特色化、個別最適化で格差を拡大している。維新が国政与党になって、これを全国に広げていくのがいいのかよく考えるべき。無償化と統廃合・学校減らしがセットになっている。府立高校に通えない地域が拡大している。

大阪からの報告 ~府立高校つぶしの実態

10年余りで21校の高校の廃校が決定。狙いはリストラによる財政支出の削減    セーフティネットとしての役割を果たしてきた学校が先んじて無くなってきた。学校を「選べない」人の選択肢はますます無くなっていく。
 今のシステムでは公立の「定員割れ」は必ず起こる。ずっと公立「廃校」が続くシステムだ。 私学無償化は公立高校潰しとセットで進行しているが、決して私学が潤っているわけではない。「切磋琢磨」「競争」の名の下で進められた政策は、全体として教育の質を下げている。
 少子化を機に学校間「競争」から脱却すべき。学校(公私とも)・保護者・地域を巻き込んだ取り組みが大切。高校にも少人数学級の実現を!

第1分科会「学校統廃合と地域の運動」A分散会(小・中)

・個別の運動を集めて、全県的なネットワークをつくろう。全体をとらえることが大切。相手の攻撃、弱点を見つけて、対抗軸をつくる。
・身近な校区から運動を起こす。1校が動けば他校も動く。
・共同を広げる。教職員、PTA、自治会、議員・・・
・少ない人数でも粘り強く運動すれば道は拓ける。情報公開、審議会傍聴・・・
・無理な統廃合は、子どもも教師も犠牲になる。
・新たに学童保育からの視点も大切
・財政の視点、このインフレの時に学校統廃合して自治体財政がもつのか。建設費、金利の上昇・統廃合は「子どものため」と言いながら「子どものため」にはなっていない。経済優先だ。


「学校統廃合と小中一貫教育を考えるネットワーク」は全国交流集会の開催、各地の反対運動、ケースへの相談窓口を行っていますので、関心のある方はネットワークのHPをご覧ください。自治体研究社の「学校統廃合に学童保育はどう対応すべきか」「学校統廃合と財政」をぜひお読みください。

(文責 城)

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